マドレーヌ広場

ホテルのドアを出れば、そこはマドレーヌ広場。パリで一番パリらしい広場です。いつも活気に溢れるこの広場を中心とした地域全体もマドレーヌと呼ばれ、あらゆる情報の発信源となっています。パリ生活の足場にはまさに理想的。

ギリシャ神殿を思わせる寺院を取り囲むのは色と香りが氾濫する花市場や、スタイリッシュなウインドーが個性を競うブティック。

少し足を延ばせばコンコルド広場やオペラ座、そしてヴァンドーム広場。マドレーヌ広場は19世紀後半、ジョルジュ・オスマンが都市計画にのっとって町の大改造を推進した時代からこの町の心臓部でした。

ここに住んだ有名人を上げるとすれば、忘れてならないのがマドレーヌ好き(貝殻の形をしたお菓子のマドレーヌです)マルセル・プルースト。「失われた時を求めて」の冒頭に、マドレーヌを紅茶に浸して口に入れると子供の頃の記憶がよみがえると書かれています。ジャン・コクトーやジャン・マレーもかつてこの広場に暮らしました。

マドレーヌ広場は中心にあるマドレーヌ寺院にその名をとっています。教会でありながら十字架も鐘楼もありません。もともとマグダラのマリア(フランス語でマドレーヌ)に捧げられた小さな教会があったのですが、周囲の発展には不釣り合いとなり、1842年、ナポレオン(ボナパルトの甥)の意向でパンテオン・スタイルに再建されました。

周囲を取り囲む高さ20メートル、52本のコリント様式列柱の神秘的威容に、訪れる者は否が応でも圧倒されます。ここでは時折大きな祭礼が行われます。もちろん中を見ることもできます。階段を上ったところで、まずは振り返ってパリの景色にうっとりして、呼吸を整え、いざ内部に。壮大なブロンズの扉を潜ると、内陣ドームを飾るジーグラーのフレスコ画が目に飛び込んできます。シャルル=ジョセフ・ラミールによるネオ・ビザンチン様式のモザイク画も必見です。大きなパイプオルガンはアリスティド・カヴァイエ=コル作。コンサートも開催されます。

マドレーヌ広場はフォションが生まれたところ。19世紀初頭から今日までフランス美食の発信源としての役割を果たしてきた本店ブティックは、毎日パリのみならず世界中からおいしいものを求めて訪れる多くの人々で賑わっています。

広場の建物の中で異彩を放つのは9番地のギャラリー・ド・ラ・マドレーヌ。19世紀に建てられたもので、1階をパッサージュと呼ばれるアーケードが突き抜けています。その入り口を飾るのは当時の建築様式の特徴を表す対の女性像。ここを通り抜ければボワシー・ダングラ通りに。左側にはフォーブール・サン-トノレ通りが見えます。