オルセー美術館
オルセー美術館の歴史はちょっと変わっています。1900年の万国博覧会前夜、フランスはオルレアン鉄道会社に駅用地として、パリのど真ん中のセーヌ川沿い、チュイルリー公園対岸の土地を売却します。パリらしいシックな土地柄のこと、隣のレジオン・ドヌールとお向かいのルーヴル宮が周囲の景観を乱さないことを条件づけます。プロジェクトに抜擢された建築家ヴィクトール・ラルーは、メタリック構造を隠すため外部を石で覆います。天井の高さ32メートル、幅40メートルで奥行き138メートルの内部には、荷物運搬用にスロープとリフト、利用客用にエレベーター、広いサービススペースやコンコースなど、最先端の駅舎となるべき条件が整えられました。線路は地下に敷設されました。また駅舎だけではなくホテルも併設され、当時のビジネスミーティングやバンケットなど、華やかなシーンが繰り広げられました。建築には丸2年が費やされ、1900年、パリの町が4月から始まっていた万国博覧会に沸く7月14日の革命記念日にオープンしました。オルセー美術館に着いたら、まずは駅舎だった建物自体に注目です。
オルセー美術館の特徴はその学際性にあります。絵画、グラフィックアート、彫刻、装飾芸術、写真、建築作品の収蔵品、企画展では文学、音楽、映画、出版なども取り上げられ、すべてが包括されています。
コレクションの大部分を占めるのが印象派です。
見逃せないのはアレクサンドル・カバネルの「ヴィーナスの誕生」、ポール・セザンヌの「カード遊びをする人々」、エドゥアール・マネの「草上の昼食」や「オランピア」、ギュスターヴ・クールベの「世界の起源」、オーギュスト・ルノワールの「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏場」…
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